地域の現状 最近の日本は地域間の交流が希薄化している!

■地域の希薄化による犯罪(子供の安全対策)
 近隣住民の人間関係が希薄化したことにより、地域や家庭の犯罪を抑止する力を減退させた可能性がある。そこで希薄化した地域の連帯や家族の絆を取り戻すことによって、地域社会の犯罪抑止力を再生する必要がある。(平成18年版犯罪白書第6編第6章より参照)

■災害時の地域コミュニティの重要性
 地域コミュニティは、地域の災害対応能力に密接な関係を持つものである。例えば、阪神・淡路大震災では、被災後瓦礫の下から市民によって救助された人は、約2 万7 千人、警察・消防・自衛隊によって、救助された人(約8 千人)の3 倍以上1であったことなどから、大規模災害において互助・共助、すなわち地域コミュニティの担うべき重要な役割があることが明らかになった。
 また、大規模災害時に大きな問題となる避難所の設置運営を例にとると、市町村や都道府県が地域防災計画の中に位置づけ、行政が行うこととなっているが、地域内に住んでいる地方公共団体の職員が少なく、実際的には近隣住民が開設する方が早いことから、町内会とか自治会に避難所の立ち上げや運営を支援してもらうこととなっている地方公共団体も数多くある。このように、災害発生時に町内会をはじめとする地域コミュニティが力を発揮するためには、しっかりした地域コミュニティが存在していることが必要となる。 (河田恵昭:大規模地震災害による人的被害の予測,自然災害科学,Vol.16,N.1,pp.3-14, 1997より参照)
 こういった文献からもわかるように、地域の希薄化と、犯罪・災害は大きく関係していると考えられる。地域間の交流がもっと密なものになれば、犯罪が減少し、災害時もコミュニティーが力を発揮し、支えあい住民の生活の質を維持・向上することができるのではないかと考えられる。したがって、私たちは、犯罪・災害時の備えとして地域のつながりを強めるきっかけとなるようなイベントを考えた。